エンジニアリング
突然、インクジェットプリンターの印刷がボケる不具合が、生じることがあります。経験的に、雨の日に発生することが、わかってきていました。これまでは、恐らく、印刷用紙が湿気ることによって、インクの付着不良が原因だと思っていました。ある日、特に雨の日でもないのに、今までよりボケがひどく、霧吹きでインクを吹きかけた様な不具合が起こりました。このときは、夏の蒸暑い日だったので、恐らく、高湿度により、印刷用紙が雨の日の様に湿気て、起きているのだと思っていました。しかし、その後、連続して起こるようになったため、ノズルの詰まりによるものかと思い、ノズルクリーニングをしてみましたが、症状は改善されません。よく確認してみると、黒インクだけが、不具合を生じることがわかりました。そこで、黒インクを交換してみましたが、一向に症状は改善されません。原因を再び考えることにしました。インクジェットの印刷は、インクの電気的な処理で行われることは、概ね知っていましたが、念のため、その原理を確認すると、電極板によるインク粒子の軌道制御処理を強く意識させられました。当然、電極板内の荷電粒子、すなわち、インク粒子は、電極板内の他の荷電粒子に左右されます。そのとき、この頃購入したマイナスイオン機能付きタワーファンが、頭を過りました。もしかしたら、常時動かしているこのファンのマイナスイオン粒子が、原因ではないかとの思いになりました。滝や噴水の周りは、マイナスイオン粒子に満たされ、健康によいということも知っていたので、雨の日もこの効果が発生しているのではないかと思い、調べてみると、案の定、激しい雨が砕けた後にできる小さな雨粒は、レナード効果によって、マイナスイオンになることがわかりました。これで、今までの湿度説は、一気に弱くなりました。印刷場所は、マンションの4階です。すなわち、雨に日には、質量の小さいマイナスイオンになった雨粒が上昇し、インクジェットプリンターに悪さをしているのではないかとの推測になりました。そこで、タワーファンの使用を止め、晴れた翌日、部屋の喚起を十分に行って、印刷したところ、正常な印刷になりました。空気中のイオンによる印刷不良は、印刷機器メーカーでは、既知のことであり、室内のイオンをイオナイザーで消滅させることで、対処できるとのことです。このことを知らなければ、プリンターの買換えまでになることもあるかと思います。プリンターメーカーには、美味しい話ですが、ユーザーに対しては、説明書で不具合の対処方法の一つとして記載していただきたかったと思いました。
いいね!